コネクティブライフデザイン

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映画『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』を通して人類歴史と哲学に触れる

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お題「ゆっくり見たい映画」

映画『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』

第2次世界大戦時、ドイツ軍が世界に誇った暗号機エニグマによる暗号の解読に成功し、連合国軍に勝機をもたらしたイギリスの数学者アラン・チューリングの人生を描いた事実に基づいて制作されたドラマ。

 

今、令和哲学カフェのきっかけで哲学者に興味関心を持つようになりました。そして大好きな「映画」を通して哲学者に触れ人類歴史を理解し、私たち日本人が行動していく未来に向かって、今ここの行動につなげていこうと思っています。

 

以下、ネタばれ注意!

 

この映画の推しポイント

  • エニグマによる暗号解読機「bombe」は後のコンピュータの土台となったこと
  • この時代のジェンダーの差別を知ったこと
  • 人は常に当たり前を好み、新しいものを受け入れることが難しいこと
  • 権力や戦いにより、賞賛すべき人の扱われ方がおかしかったこと
  • エニグマ暗号解読は戦争終結を2年早め、14万人の人を救った偉業であったこと

 

舞台は1939年、第2次世界大戦時

ヒトラー政権がヨーロッパを支配下に置こうとし、イギリスはドイツ軍が世界に誇った暗号機エニグマをつかった通信手段により敗戦を重ねていた。イギリス軍は暗号機エニグマによる暗号の解読を急いでいた。その設定は159の後ろに0が18個つくほどの通り考えられ、毎夜12:00にリセットされ、毎朝6:00に新しい暗号により配信されていた。

 

チューリングの夢

アラン・チューリングがこのプロジェクトにかかわる理由として、「政府のためでなく暴力に懐疑的であり、クロスワードパズルが好きだ」といった。暗号が解読されれば早く終戦を迎えられる軍は解読が戦いの勝利へと導くと考えていた。アメリカ、ソ連、フランスも、そしてドイツもエニグマの解読は難解であり不可能だと思っていた。チューリングは、難解なのか挑戦したいと解読に挑んだのである。

これは天才数学者が挑んだ、人間が計算するスピード速度をどのようにして早められるかの問題発見であり、コンピュータがつくられる最初の土台、仕組みの発明と問題解決の物語でもあります。

 

「人間はなぜ暴力を好むのか、暴力をふるうと気分がよくなるからだ。人間は暴力で満足を覚える。しかし、その満足感が消えると、ひとたびその暴力がむなしいものとなる。」

 

アランは変わり者だった。そのため学生の頃にいじめられていた。そして助けたものもいて親友となった。「誰も予想しなかった人物が誰も想像しなかった偉業を成し遂げることがある。」学生時代の親友からから学んだことが彼の人生の軸となっていった。また友情とは違う気持ちも芽生えていく。

 

エニグマの解読を達成するために

研究員のメンバーを再検討し、また人員が足りなければ、クロスワードパズルを使っての公募と試験で、このプロジェクトに必要な人材の発見へとつないでいった。そこで出会ったのが、エニグマの暗号解読における重要な役割を果たした、ジョーン・エリザベス・ラウザー・マレー。

アランが彼女から学んだこと。それは、夢の実現するために必要な人間関係の重要性だった。大きなことを実現するためには、一人では成し遂げられないことがほとんどだ。

リーダーシップ(leadership)とは、カリスマ1人分のアイディアやスキルなどはたかが知れているので、チーム全員のアイディアやスキルを発揮させ組織の成果物へと繋げていくこと。そして船の行き先を決め、その方向へ船を動かす船長のイメージ。意志と繋がりすべての責任感を持つと決断している人。

そして、事柄の一つひとつに、リーダシップは形を変える。全員がリーダーでもあるしフォローシップでもある。5つの役割の法則が美しく循環を起こした時に、そのチームは活性化し、チームプレーによって目標を達成していくのである。

そして彼女をきっかけにしてその循環がつくられていった。

 

第2次世界大戦中のドラマ

戦争という脅威は、人々に新しい技術の発達をもたらしたと同時に、支配という目的の中で繰り広げられる、国を超えての数学・物理学者を使った頭脳戦も繰り広げられていた。知識はスピード勝負となる、莫大な情報データをいかにしアルゴリズムを理解し、正確に処理をするのかだ。それだけに興味がある人類歴史だったようにも思う。

この映画はとても印象的です。一人の天才数学者の人生を通して今があること。過去に起きたことすべては必要であり、どれが欠けても今の時代にはたどり着かない。

ただ同時に、人という尊厳はいつも破壊されているように思いました。この映画の中には、2つの名言がありました。

前途に記述した、学友からのアランに伝えられた言葉、「暴力はただの自己満足であり、人はだれでも偉業を成し遂げる可能性を持っている」ことです。

形や濃度は違えど、みんな持っていることです。

 

私はこの映画を通して思ったのは、いろんなシーンを通して、観点がある状態では、誰もがごく自然に幸せになれる世の中ではないんだという明確な再確認でした。これまでどれだけの人が尊厳を傷つけられながら生きてきたのでしょうか。心の底からワクワクする未来を創るには、今まで歴史の延長線上では難しく、やはり観点の外にでることが必要なんだというのがわかるのです。

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みなさんは、どう感じたのでしょうか。いい映画だからこそ、感想を聞きたいです。