語りえぬものについては沈黙しなければならない
オンライン配信番組『令和哲学カフェ』に出演しました。テーマは【8/15〜8/26】お母さんを哲学する | 令和哲学カフェ です。
そこに対して出演する哲学者はこちら
私は、ウィトゲンシュタインを担当しました。ウィトゲンシュタインのそもそもの主張は、おおざっくりにいうと、こんな感じです。
※8/18にプレゼンをしました。放送から約2週間視聴可能になっています。
私の言語の限界は、私の世界の限界
ウィトゲンシュタインは、まず19世紀まで哲学の根本的問題であった「人間の本質とは何か」という問いを、「人間にとって言語とは何か」という問いとして考えました。
A=not A
言語は言語ではない、言語は言語ゲームである。哲学の問題は思惟が問題ではなく、思考を表現する言語の曖昧な使用方法に問題があるというのです。
前期・後期を通して、言葉で語れる世界(思考不可能なもの)と言語で語れない世界(思考可能なもの)、この2つの境界線を明らかにし、言葉の主語・述語の限界を明確にしました。
前期と後期の違い
ヴィトゲンシュタインの思想は、大きく前期と後期に分けられる。前期では『論理哲学論考』にある「語りえぬものについては沈黙しなければならない」では、いままでの形而上学と自然科学の限界を語り、後期『哲学探究』では「言語ゲーム」によって、日常の中でも本当の深い世界も言語では語れないことを考えました。
後期で前期の論を自ら否定
前期の『論理哲学論考』では、事実とセットになった言語を科学的言語と表現しました。1対1の対称があるとして、機械的に「私がコーヒーを飲んでいる」その事実と文はかならず1対1であるとしたのです。それは科学的言語であるとしました。
そして哲学の世界から身を引きました。そして小学校の先生となり、子供たちを通して日常言語に触れていきました。
ウィトゲンシュタインの後期哲学では、日常言語の重要性に気が付きます。私たちが話す言語は、科学的言語ではなく日常言語。日常言語では、その時々に言葉一つ一つも、文脈も使っている人それぞれの人生によって表現が変わります。先に生まれたのは科学的言語でなく、日常言語です。狩猟採取から産業革命の歴史の流れを観ればわかりやすいですね。そこから科学的言語の体系は後です。
つまり、科学的言語で構成された文(主語・述語)を理解するためには、その手前にある日常言語を理解しなくてはいけないと考え日常言語の分析に力を入れていきます。
言語ゲーム
ここでZoom参加いただいた方、中心に「言語ゲーム」に少し体感してもらうため、簡単な質問に答えてもらいました。
当日の参加者は43名ほど。答えてもらったのは「リンゴ」。さまざまなコメントがもらえました。赤、青森、アップル、キティちゃん、椎名林檎、アダムとイブ、ニュートン、白雪姫、万有引力、ビートルズ、ウィリアム・テル、奇跡のリンゴ、果物、甘い、酸っぱい、ビタミンC、栄養 etc.
1つの単語にも、いろんなイメージと背景がります。
また、「大丈夫」という言葉も同じく、文にしてみても、その時々のさまざまな感情や状況などによって、使い方のイメージが変わるのもよくわかります。今ココ、言語は生まれている。日常言語でも語り切れない神秘神聖な領域もある。ということにも気が付いていたのではないでしょうか。
後期ウィトゲンシュタインの書籍がまとめられたのは、彼が亡くなってからです。本当に伝えたかったことを本当に伝えられていたのか。それはわかりません。ただ言語の限界によってこの世界の限界には気が付いていました。
この限界突破を、時代の流れとともに引き継ぎバトンを受け継いで、今、令和哲学で明確に整理されているものがあります。
令和哲学
21世紀令和哲学者ノ・ジェス氏は言います。新しい言語が必要。ウィトゲンシュタインは出発が間違っていた。脳も観点に固定されている、脳の結果物が瓶鳥の中。観点を作り出すのがデジタル。本当のオリジナルがこれ。それで狭い空間を通過して思う思わせるゲーム。錯覚のゲーム。人生はだます・騙されるゲーム。言語ゲーム。言語の捉え方、それがその人の人生を決定する。それがウィトゲンシュタイン。みなさんは自分の言語から自由ですか?しゃべる言語から、聞く言語から、言語の使い方の達人になるためには、言語の海に溺れてはだめですね。
私たちはそれに気づいて、どんな人間になって何をしていこうとするのでしょうか。一人ひとりがこの世界の共有をしっかりとお互いにできるようになっていくことが重要だと思います。
8月15日からの2週間、ライブ配信『令和哲学カフェ』にジーニマムプロジェクトメンバーで出演!2022年は、ママが開く年。
世の中の何かを産み出す仕組みには、全て癒し→包み込み→全く新しいものを創りリズムがあります。ママなら子宮、料理と同じ。令和哲学で哲学を解析します!
ジーニマムプロジェクト